CDI発症者のトキシン濃度はキャリアのそれよりも高いのか
Comparison of Clostridioides difficile Stool Toxin Concentrations in Adults With Symptomatic Infection and Asymptomatic Carriage Using an Ultrasensitive Quantitative Immunoassay
Clin Infec Dis 2019. https://doi.org/10.1093/cid/ciy415
クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)を発症している人と,発症はしていないけどクロストリジウム・ディフィシルのキャリアになっている人とでトキシンの濃度は異なるのか,というクエスチョンに答えるスタディ.発症者群,キャリア群のどちらの患者も培養か核酸増幅検査(NAAT)でCDや毒素遺伝子の存在が証明されています.
細かい測定の方法などはさっぱりわかりませんが,ざっくりな結果としては,
・両群でカットオフ値(20 pg/mL)を上回る濃度のトキシンを持つ患者の割合に明らかな差なし
・濃度の中央値も両群で明らかな差なし(ただし全体的に濃度のばらつきがかなりあった,0 pg/mL to >100000 pg/mL)
・検出可能レベルのトキシンを認めた患者に限定すると,発症群で優位にトキシン濃度が高かった
とのこと.
発症群のcriteriaが「CDの存在が証明されていて下痢をしていてCDとしての治療を受けた人」となっており,つまりトキシン陰性者(毒素遺伝子の方ではなく検出できるレベルのトキシン量を持たないものという意味,ややこしいですね)のCDI発症者もいたことになります.実はこの群には下痢が別の原因で起きていたけどCDが証明されてCDIとして治療を受けていたから発症者群にくくられてしまった人(≒本来キャリア群に入るはずだった人)もいたかもしれず,そのへんも結果に関係していたりするのでしょうか.
それはそうと,アネメトロの供給停止,はやく解決しないですかね….